メディアの共鳴
朝日新聞(夕刊)「窓」平成7年9月14日
コピー紙の白さ

適度な白さのコピー用紙を使うことで、再生紙の利用を促進しようという運動を、「オフィス町内会」が進めている。「オフィス町内会」は、東京都内の146の企業が、共同で古紙の分別回収と、リサイクルを進めている組織だ。古紙の利用を全国で定着させようとしているこの組織の悩みは、再生コピー紙の普及が3割程度で頭打ちになっていること。研究会をつくって、もっと引き上げられないか調べたら、こんなことが分かった。再生コピー紙には、白さが官製はがき程度のもの(白色度70)と、天然パルプの紙と変わらないもの(白色度80)がある。新聞紙などを原料につくられる前者は、白色度80の紙よりコストが1割ほど安いが、「より白い方がよさそう」という漠然とした理由から敬遠される。それが再生紙そのものの普及の妨げになっている。ところが、実際に使ってもらうと、白色度70のものの方が「適度な白さ」で、80のものは「白過ぎる」と感じる人が多かった。それなら、コストが安く環境にもよい白色度70の再生紙を使わない手はない。需要がふえればコストはさらに下がり、普及率も上がるに違いない。「オフィス町内会」はそう考え、コピー用紙の包装紙に古紙パルプの配合率と白色度を明示するよう、販売会社に求めることにした。全国のユーザーには、日本青年会議所と連携して、白色度70のものを使うよう呼び掛けている。ことはコピー紙に限らない。私たちは日常、事情をよく知らないまま、必要のない「過度なもの」を使いがちだ。その結果として環境悪化の原因の1つになっているのではないか。この運動を、暮らしの様々な見直しにつなげていけないだろうか、と思う。

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読売新聞(夕刊)「ニューライフ」平成8年3月30日
環境に配慮するなら白色度70%
安い再生コピー用紙普及へ─日本青年会議所とオフィス町内会
パンフ10万部を全国に配付7月横浜でシンポも

古紙を主原料にした再生コピー用紙のシェアが伸び悩んでいる。原因は、バージンパルプ紙並みの白さを持つ上質な再生紙の需要増。5年前から古紙回収に取り組んでいる東京都内の企業の自治会「オフィス町内会」(事務局・東京都千代田区内幸町)は4月から、全国に6万5000の会員企業を持つ日本青年会議所と共に、安価な再生紙の普及活動に乗り出すことになった。(阿部文彦) 「白色度70%の再生紙を使用しています」。山之内製薬本社ビル(東京都中央区)のコピー機の上には、こんな張り紙がある。同者が「オフィス町内会」の呼び掛けに応じ、上質紙と呼ばれるバージンパルプを材料にした「白色度80%」のコピー用紙から「白色度70%」の再生紙に切り替えたのは、昨年4月のことだ。再生コピー紙には、上質紙の裁断くずなどを材料にした白色度80%と、新聞古紙を使い、多少黄ばんで見える白色度70%以下のコピー用紙がある。「白色度」は紙の白さの指標で、例えば新聞紙の白色度は55%。「最初は顧客に出す資料に黄ばんだ70%再生紙を使うのは失礼、といった抵抗もあったが、今はこの白さにすっかり慣れたよう」と、同社環境保全室の伊東一夫課長(55)は説明する。現在本社ビルだけで年間約730万枚使われる同社のコピー用紙すべてが、白色度70%の再生紙になった。「オフィス町内会」は、東京電力社員で、現在同町内会の事務局長を務める半谷栄寿さん(42)の「オフィス街から出る膨大な紙を資源として活用しよう」という呼び掛けで、1991年に発足。現在は都内の150社(総社員数10万人)、延べ253事業所が参加し、紙のリサイクルを進めている。ところがここ数年、白色度80%再生紙の需要が急激に増加。再生コピー用紙全体の55%を占め、逆に主流を占めていた白色度70%再生紙は40%に下落してしまった。このため同町内会では「白色度意識改革プロジェクト」を設置、実態を調査した。その結果、バージンパルプ紙の製造費を100とした場合、「白色度70%再生紙」は90。一方、材料が限定され、漂白剤を大量に使う「白色度80%再生紙」の製造費は101と、バージンパルプ紙を上回り、価格面はもちろん、省資源効果も薄いことが判明。これをきっかけに、70%再生紙の利用を町内会の各社に呼びかけることになった。「白色度80%再生紙が普及する裏には、より白いものを求める消費者の欲求がある。しかし製紙業界の採算が合うマーケットを作らなければ、古紙の回収運動はいつか行き詰まる」と、半谷事務局長は語る。同町内会では日本青年会議所と協力。啓発活動として、白色度70%の再生紙の使用拡大を訴えるパンフレット10万部を作成し、来月から同会議所の会員企業や、全国の自治体などに送って、協力を呼びかける。また、パンフレットにアンケートを添付し、回答内容を基に今年7月、横浜市で、再生コピー用紙をテーマとしたシンポジウムも開くことになった。日本青年会議所の村岡兼幸副会頭(38)は、「便利な生活を送るために、無駄なエネルギーを費やす現在のライフスタイルを見直すきっかけになれば」と、活動の狙いを話す。環境庁は89年、「エコマーク」の表示制度を設け、環境負荷の少ない商品の普及を進めている。しかし、大半はメーカー主導で商品が開発されており、消費者側の要求で環境に望ましいマーケットづくりが進められるのは、初めてのこと。環境庁環境保全活動推進室の竹内恒夫室長(42)は、「再生紙をきっかけに、他の商品にも省資源・リサイクル運動が広がってほしい」と評価している。

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日本経済新聞 「春秋」平成9年1月19日

企業や地方自治体の間で、再生紙を使ったコピー用紙の普及を目指す「白色度70革命」が静かに進行中だ。コピー用紙の分野では、天然パルプ(バージンパルプ)100%のコピー用紙が主流で、再生紙利用は3割程度に過ぎない。最大の理由は、バージンパルプを使ったコピー用紙の白色度(白さの度合い)80と高いこと。同じ白さを再生紙で出そうとすると、漂泊などにコストがかかり過ぎ、価格面で太刀打ちできない。だが、白色度70ならなんとか対抗できる。古紙のリサイクルを進めるためには、過度な白さに対するこだわりを捨て去ることが必要だ。古紙の回収と再生紙の普及に取り組んできた環境NGO(非政府組織)、オフィス町内会が、白さに対する意識改革に乗り出したのは2年ほど前のことだった。消費者、学者、マスコミ関係者などを対象に、日本人の白さに対するこだわりをあらゆる側面から調べた。その結果、人々の意識さえ変われば、白色度70で十分なことが分かった。オフィス町内会は、これに自信を持ち、白色度70の再生コピー用紙の普及に乗り出した。趣旨に賛同した東京電力、山之内製薬、キリンビールなどが早速再生紙に切り替えた。日本青年会議所も、傘下の会員企業(約6万7000社)に使用を呼び掛けている。最近では、東京都、板橋区なども相次ぎ使用に踏み切り、「白色度70」の輪は、大きな広がりを見せ始めた。

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日本経済新聞 「社説」平成9年3月14日
「白色度70」の再生紙を使おう

古紙のリサイクルの一環として、「白色度70」の再生コピー用紙を普及させる運動が環境NGO(非政府組織)の呼び掛けで、全国的な広がりを見せている。会社のオフィスなどで複写機用に使うコピー用紙は、天然パルプ100%の用紙が、全体の7割近くを占めている。そのほとんどは、白色度80で、日ごろ多くの人が目にする白さのものだ。古紙を使って、白色度80の再生コピー用紙を作ることもできるが、この場合、漂泊などにコストがかかリ過ぎ、環境面からも問題がある。だが、白色度70なら、白さは多少落ちるが、古紙を利用しながら、採算的にもやっていける。問題は、白色度80になじんだ人々の白さに対するこだわりを取り除くことができるかどうかである。古紙のリサイクルを進めている環境NGO「オフィス町内会」は、人々の白さに対するこだわりを調査した。その結果、意識転換さえできれば、白色度70の再生コピー用紙(新聞用紙は白色度55程度)の普及は可能だ、との結論を得て、普及活動に乗り出した。この運動に共鳴した東京都は、昨年10月から、「古紙配合率70%以上、白色度70程度」の再生コピー用紙の使用を決めた。都が使うコピー用紙は年間4億1000万枚(A4サイズ換算)にも達する。東京電力も、昨年秋から年間約2億枚使うコピー用紙をすべて白色度70の再生紙に切り替えた。環境庁も、通産省など他省庁にその使用を呼び掛けるとともに、率先実行のため、現在の在庫がなくなり次第、白色度70の再生コピー紙に全面的に切り替えていく方針を決めている。日本青年会議所も、昨年に続き、今年も傘下の6万7000社の会員に使用を呼び掛けている。草の根運動として始まった白色度70の再生コピー用紙を使う運動は、軌道に乗り出したが、さらに普及させるためには、自治体、企業、消費者などユーザー側の積極的な参加が必要だ。古紙1トンの利用で、直系14.5センチ、高さ8メートルの立木約20本を節約できる。白色度70の再生紙をもっと使おう。

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朝日家庭便利帳 「風遊風学」平成9年3月号
「白色度70」作戦 辰野和男

「真っ白信仰を捨てよう」という運動のことをご存じですか。まだあまり知られていないかも知れませんが、紙のリサイクルを考える上で、かなり重要な運動です。日ごろ使っているコピー用紙がもし手元にあれば、よく見てください。真っ白でしょう。こんなに真っ白である必要があるのか、と考えたことはありませんか。コピー用紙の色と新聞紙の色とを比べてみてください。いまの白さと新聞紙の白さの中間ぐらいでもいい、と思いませんか。「白色度80」「白色度70」という言葉があります(数値が高いほど白い)。皆さんが使っている天然パルプのコピー用紙は白色度80です。再生紙を使って、あれこれ細工をして白色度80を保とうとすると、かえって割高になる。が、皆さんがもし、白色度70程度の白さで十分だ、と考えるようになればその場合の再生コピー用紙はもっと安い原価でできます。私の好みでは、むしろ70のほうが、しっとりしていて目にいいように思いますし、「いいものを安く」は経済原理にも合います。私たちは、手紙を書く時に薄茶色の便箋を使ったりします。和紙の色も真っ白ではない。日本人の紙の色の好みをたどっても、コピー用紙が真っ白でなければならない理由はないのです。真っ白の紙よりも、淡い中間色のほうが目に負担がかからないという研究もあります。お役所や企業の責任者はただちに「白色度70の再生コピー用紙を使う」と決断してくれたらと思います。たくさんの消費者が白色度70のコピー用紙を文具店に注文すれば、それが勢いになる。そうなれば製紙会社も安心して真っ白でない再生紙を生産し、原価も下がる。天然パルプの使用が減れば、その分だけ、森の破壊を防ぐことになります。以上のような運動をずっと続けてきたのが東京の「オフィス町内会」です。長い間、この問題と取り組んできた半谷栄寿さん(オフィス町内会代表)に会いました。「都庁がやっと白色度70の再生コピー用紙を使うことに踏み切ってくれました。この影響は大きいですね」。いつも気力が充実している感じの半谷さんは、この日はとりわけ意気盛んでした。東京電力の社員でもある半谷さんはもともと、古紙のリサイクルに感心がありました。東電は早くからオフィスで使った紙の分別回収を始めていましたが、これが、各企業をまきこんだ古紙回収運動に発展します。1991年です。いまはこの運動に150社が参加し、共同で月620トンもの古紙の回収をしています。この回収運動から生まれたのが「白色度70」作戦です。ここにいたるまでの東電の支えはかなりのものでした。「東電にはもともと『もったいない精神』があって、リサイクルに熱心だったのです。世の中の問題を先取りしながら、社会貢献をするのが企業の大切な役割だという考えがありました」
──オフィス町内会、という名前が個性的ですね。
「私は福島出身ですが、故郷ではまだ町内会の助け合いが生きているんですね。東京の企業だって、助け合いが大切なんじゃないか、と風呂のなかでぼんやり考えていたら、オフィス町内会という言葉が浮かびました」
──コピー用紙に焦点をしぼったのもよかったですね。
「ええ、自分の生活の質を見直すことで環境を守ることができる、自分の選択で世の中を動かすことができるという意味でも、コピー用紙は大切です。日本青年会議所の協力を得たのも大きかったですね」古紙利用率を55%にまであげるという通産省の計画があります。「白色度70」作戦が成功すれば利用率は1.5%上がり、55%の目標が達成される、と半谷さんはいっていました。身近にあるコピー用紙の「白さ」に疑いをもつ。それが環境を問う新しい価値観を生むのだということを「白色度70」作戦は教えてくれます。
(日本エッセイスト・クラブ専務理事)

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朝日新聞 「天声人語」平成9年5月19日

夜明けの空に白色を見ることがある。東の地底から昼の光が立ちのぼり、天空にまだ残る夜を消していく。その明るさが白を感じさせる。白は神聖な色である。清らかさの象徴でもあり、死の色でもある。天使が、夫婦となる者が、神官が、死者が、白い衣をまとう。白馬、白鳥、白蛇……、吉兆の鳥獣や聖なる動物はしばしば白い。白は魂をとらえる力を秘めているのかもしれない。紙の白さにも、私たちはとらわれているようだ。コピー用紙は適度な白さで十分なのではないか、と環境NGOの「オフィス町内会」が、白色度70%の再生紙を使うよう提唱したのは、2年前だった。普及状況はあまりはかばしくない。「白色度」はなじみの薄い言葉だが、70%の白さとは、はがき程度を想像すればいい。ちなみに上質紙は白色度80%以上、新聞紙は55%ほどだ。なぜ70がいいのか。まず、再生紙を使えば、その分だけ森の破壊を防げる。再生紙でも80の白さにすることはできるが、薬品や特別の原料を使うので、むしろ天然パルプの紙より値段が高くなる。70なら量さえまとまれば、安くなるという。それから、こちらの方が目が疲れない。単行本も70台に白さを抑えている。だが、コピー用紙となると3、4%しか使われていない。白い方がきれいだし、白くないと上司に渡すのに失礼だ、と考える人が多いからだそうだ。では、白ければ白いほどきれいなのか。70と80の紙を持って、街に出てみた。意外なことに、白いと思っていた花は真っ白ではなっかた。ツツジの白は70そのものだし、コチョウランもこれに近かった。自動車の白もそうだ。太陽の下に80の白があふれると、さぞかしまぶしいだろう。自然界は落ち着いているのだ。上司の顔色をうかがう白と、少しでも地球を守る白と、どちらが美しいか。

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日本経済新聞 「社説」平成10年2月9日
「白色度70」の再生紙運動

古紙のリサイクルを促進するためには、単に回収するだけではなく、再生紙を積極的に利用していくことが必要だ。最近の古紙のだぶつきの背景には、環境意識の高まりの中で、回収は急速に進んだが、一方で再生紙の需要が伸びないという困った事情がある。たとえば、オフィスなどで使われるコピー用紙は、天然パルプ100%のものが主流で全体の約7割を占めている。そのほとんどは白色度80(白色度は白さの度合い)で、日ごろ多くの人が目にする白さだ。再生紙を使って白色度80のコピー用紙もつくれるが、この場合漂泊などに余計な費用がかかるうえ、環境にもよくない。だが白色度70なら白さは多少落ちるが、古紙を有効に活用できるし、環境負荷も少なくて済む。本誌の白色度は55程度なので、白色度70の白さは十分コピー用紙として使える。問題は人々の白さに対するこだわりである。古紙のリサイクル活動に取り組んでいる環境NGO、「オフィス町内会」は、人々の白さに対するこだわりを調査した。その結果、人々の意識転換さえできれば、白色度70の再生コピー用紙の利用は可能だとの結論を得て、数年前からその普及活動に乗り出した。当初は、この運動に賛同した一部企業や青年会議所が、普及活動をしてきたが、昨年ごろから地方自治体が相次ぎ導入に踏み切り出した。A4サイズに換算して年間約4億枚を使う東京都をはじめ、京都、神奈川、埼玉、和歌山、岐阜、徳島、大分などの都道府県、さらに札幌、飯田、大阪などの各市、多摩地区31市町村などを含め全国100近くの自治体が採用している。一方、中央省庁も今年に入り、「古紙配合率70%以上、白色度70以下」の再生コピー用紙を使うことを正式決定した。製紙会社も白色度70の再生コピー用紙の製造、販売に力を入れ出した。このような運動は、これまで管主導で進められることが多かった。だが、白色度70運動は完全な民主導ではじまり、管を巻き込み、メーカーを動かし全国的な広がりをみせている。これまでに見られなかった新しい試みとして歓迎したい。

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日刊工業新聞 「社説」平成10年3月20日
リサイクルの輪は再生品が使われないと広がらない。
回収だけでなく使用にも目を向けたい。
「白色度70」で古紙利用を進めよう

ちり紙交換の声を聞かなくなった。96年秋以降、古紙の余剰が顕在化し、価格が下落、「毎度おなじみの」というわけにはいかなくなったようだ。古紙の余剰はリサイクルの拡大、事業系ゴミの有料化による回収量の増加など、要するに集め過ぎが原因である。回収量の伸びが利用量の伸びを上回っているわけだ。しかし回収を減らせば、せっかく根付いたリサイクルの取り組みを委縮させるし、ゴミの量を増やすことになってしまう。問題解決には、古紙の利用を増やすしかない。日本製紙連合会の調べでは、97年の古紙の利用率(紙・板紙の原料に占める古紙の割合)は54.0%。前年に比べ0.4ポイントアップした。同連合会は2000年に古紙利用率56%の目標を掲げているが、この程度の伸びでは目標達成はおぼつかない状況だ。97年は古紙の主用途である板紙の生産量が前年比4.1%増となったことが寄与しただけで、紙分野の利用率は停滞した。板紙での古紙利用率はすでに飽和点に近いため、今後はコピー用紙や印刷用紙での利用率向上が必要だという。そこで注目されているのが、白色度70の再生コピー用紙を使う運動である。白色度は紙の白さの指標で、天然パルプ100%の紙は80。白色度の高い再生紙を作るには原料の古紙の種類が限定されるし、漂泊や脱墨に化学物質やエネルギーを投入しなければならない。従って白色度の低い再生紙の方が環境に負荷をかけない。特に白色度70のコピー用紙なら新聞古紙が原料として使えるので製造コストが軽減され、リサイクルの輪が回りやすくなる。「白色度70運動」はオフィス町内会という東京の企業組織が94年度から議論を始め、呼びかけた。東京都は96年の再生品利用ガイドライン・ステップ,如▲灰圈射兒罎慮纏翡杞舂70%・白色度70を打ち出し、今年10月からはステップ△箸靴童纏翡杞舂100%・白色度70に改める。横浜市も市庁舎内で古紙配合率100%・白色度70以外の紙を使うときは理由書が必要という。深刻な古紙余剰を背景にほかの自治体にも「白色度70」が広がりつつある。政府も環境基本計画推進関係省庁会議で古紙配合率70%・白色度70のコピー用紙の推奨を決め、今月末の官報で合致する個別製品リストの提出を業界に求める。6月初めにはリストを小冊子にし、またインターネットで公開して購入関係者に周知を図るという。せっかく集めた古紙を無駄にしないために、リサイクルの輪を回すために、「白色度70」にさっそく取り組んでみてはどうだろう。環境保全という大げさになりがちだが、とにかく、やろうと思えばできるところから始めるしかない。

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日本経済新聞 「社説」平成10年9月2日
白色度70の運動軌道に

地方自治体の環境意識の高まりを背景に、白色度70の再生紙を使ったコピー用紙の利用が進んでいる。環境庁の最近の調査によると、47都道府県のうち、白色度70の再生コピー用紙を採用している自治体は、北海道、東京、京都、長崎など32都道府県に広がっている。また約3300の都区部、市町村レベルでも、約500の自治体が使うまでに普及してきた。再生紙を使った白色度70のコピー用紙は、天然パルプのコピー用紙(白色度80が中心)と比べ、白さは多少落ちるものの新聞(本紙の白色度は約55)古紙などを有効に活用できるし、環境負荷も少なく、価格面でも採算が合う。一方、再生紙を使った白色度80のコピー用紙は、製造原価が高く、漂白剤を使うため、環境負荷も大きくなる。だから白色度70の再生紙の普及が望ましいわけだが、問題は人々の白さに対するこだわりを取り除けるかどうかである。古紙のリサイクル活動に取り組んでいる環境NGO、オフィス町内会(本部東京)は、古紙の回収に比べ、再生紙の利用が進まないため、94年から日本青年会議所の支援を受けて、白色度70の再生コピー用紙の利用を呼びかけてきた。運動開始当時は、天然パルプものの需要がコピー用紙全体の約7割を占めていたが、4年後の現在、天然パルプものの需要は、6割に後退し、白色度80の再生紙が25%、白色度70が15%とシェアを高めている。ところがここにきて、地方自治体が相次ぎ白色度70の採用に踏み切り出したため、製紙会社や大手サブライヤーは、白色度70の再生コピー用紙が今後急速に伸びると予想、生産を拡大させている。オフィス町内会は、この1年、東京、大阪、札幌で白色度70のコピー用紙の普及促進のためのシンポジウムを開催し、残りの地方自治体に採用を働きかけるとともに、全国の企業や一般家庭に対しても同様の呼びかけをしている。環境庁も白色度70の再生コピー用紙の普及を積極的に支援していく方針だ。草の根で始まった再生紙普及の運動が軌道にのってきたことを歓迎したい。

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日本経済新聞 「春秋」平成13年10月20日

白には神聖、清浄、純粋、無垢(むく)など、世界共通の清らかなイメージがある。中国の陰陽五行思想では、白は生命が活動を終え、再生への準備に入った状態を表すという。方角は西、季節は秋と重なる。白の語源は森羅万象をはっきりと見極める「しる」ことらしい。ちきゅうの未来を見通すなら、目に鮮やかな真っ白よりも、少しくすんだ程よい白をと、コピーの再生紙利用を推進しているグループがある。東京のビジネス街で生まれた古紙の分別回収とリサイクルの非営利組織(NPO)、オフィス町内会だ。本社で開いた「第9回地球環境経済人サミット」でも、グリーン購入と古紙のリサイクルは大きなテーマになった。天然パルプのほぼ真っ白なコピー用紙の白色度は80、新聞紙は55。オフィス町内会はその中間、白色度70の再生紙を程よい白さとして、国、自治体、企業などユーザーに普及をはかった。最初は「真っ白好きの日本人にはうけない」と予測されたが、今やコピー用紙全体の17%を占めるまでになっている。天然パルプの用紙をつくるコストを100とすると、再生紙を白色度80まで漂泊するコストは101になる。白色度70なら92ですみ、メーカーにもユーザーにも経済的な利がある。環境への負荷も少ない。地球も社会もみんな得する「ちょうど良い白さ」のさらなる普及をめざす全国サミットが24日白秋の東京で開かれる。

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東京新聞(夕刊)「経済潮流」平成13年11月16日
白色度70がちょうど良い

オフィス街に回収車を共同運行し古紙を分別回収、リサイクルする環境NGO(非政府組織)オフィス町内会の活動が11年目を迎えた。オフィス町内会がユニークなのは、サラリーマンのリサイクル社会実現への思いから出発し、さまざまな会社の有志が集まり発展させた組織である点だ。丸の内や大手町といった地域の会員企業1111事業所のネットワークで、年間に約9500トンの古紙を回収するまでになった。紙のリサイクルには古紙回収と再生紙の利用拡大が必要だが、オフィス町内会は古紙100%のトイレットペーパーの販売に加え、企業で大量に使われるコピー用紙に着目した。白色度とは紙の白さの指標。コピー用紙市場では過度な白さが主流で、古紙から製造するとコスト高が難点だった。そこでオフィス町内会は、適度な白さの再生コピー用紙の普及を目指す白色度70運動に着手した。眼科医の調査でも、目に優しいとの評価であり、漂泊剤をあまり使わないので環境負荷も少なく、コストも安いという。無理な我慢をしないで、だれでもできるリサイクルであり、応援したい。

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読売新聞 「エコライフ」平成13年12月18日
「白色度70%」浸透まだまだ
目に優しくリサイクルすすむが……「真っ白」にこだわり強く

白さを抑えた「白色度70%」の再生コピー用紙が増えてきた。白過ぎず目に優しいとされ、古紙のリサイクルが進むといった環境面でのメリットも。ただし、今のところは、コピー用紙を大量に消費する大企業や行政機関などが中心に使っている。小口のユーザーや一般消費者には、まだまだ「真っ白な紙」を好む傾向もあり、普及にはもう少し時間がかかりそうだ。富士ゼロックスオフィスサプライ(東京)は今月、コピー用紙「イーカラー081」を発表した。新聞を中心とした古紙を100%使い、やや黄色っぽくくすんでいる。これが白色度70%だ。「カラー用コピー用紙では、白色度が70%のものはこれまでなかった。さらに普及が進むのでは」と同社の末広透・広報チーム長は期待する。日本製紙連合会(同)によると、再生紙を使ったコピー用紙も、ほぼ真っ白な白色度80%の用紙が五年ほど前までは主流だった。80%のものの原料は、印刷会社で出た紙の切れ端など上質な古紙だが、黄色っぽい70%のものは新聞や雑誌の古紙を主に使う。国内では新聞や雑誌の古紙は上質古紙の約3倍の量があり、70%の需要が高まれば、それだけリサイクルが進むことになるという。同会広報部の中川好明部長代理は「80%に比べて漂泊の行程が短くて済むので、製造段階での消費エネルギーも小さい」と話す。このため、環境に優しい物品を導入するグリーン購入に熱心な大企業や行政機関が積極的に購入し、販売量が増加してきた。富士ゼロックスオフィスサプライではコピー用紙全体の35%になり、キャノン販売(同)は約25%、NBSリコー(同)は、97年上半期には全体の3%だったが、今年の同時期では20%を超えた。ただ、一般の消費者や小規模の商店などにはまだ、浸透していないようだ。事務用品を扱う「オフィス・デポ ジャパン」(同)では、古紙を使っていない上質紙を買う人が多い。通販会社「アスクル」(同)でも、白色度70%の再生コピー用紙の売り上げは全体の5%ほどしかない。原因の1つが、インドネシアなどから輸入される上質紙のコピー用紙だ。国内産に比べ2、3割安いため、3、4年前から急激に増え、現在は販売量の約20%を占めている。「白さ」へのこだわりもまだ大きいようだ。「白色度については、より白い方を求める人が多い」と、オフィス・デポの担当者は話す。また、商品そのものに大きく「70%」などの表示があるわけではなく、店頭での表示も分かりにくいなど、まだ課題が多い。アスクルでは今後、PRを強化することを検討し始めた。古紙のリサイクルに取り組む民間団体「オフィス町内会」の半谷栄寿代表は「小売り業者にまず、白色度70%の再生コピー紙の重要性を知ってもらう活動をしていきたい」と話している。

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日経産業新聞 「社会貢献、長寿支える収益」平成15年8月19日
都心で古紙回収オフィス町内会
今月で設立13年目
支援先に甘えすぎ禁物

白色度
紙の白さの指標で、光りを当てた時の反射量で測る。酸化マグネシウム板の反射量を100として示す。白色度80%は新しいパルプだけで作ったコピー用紙の白さで、70%は官製はがきの白さ。ちなみに新聞紙は白色度55%。

東京電力の支援で、オフィスから出る古紙の共同回収に取り組む企業ネットワーク、オフィス町内会(東京・港)が今月で設立13年目を迎えた。非営利組織(NPO)支援やメセナなど、大企業が手がける社会活動は収益性の問題から行き詰まるケースが少なくないが、同組織は順調に発展。この活動をモデルとする方式が各地の自治体に広がっている。成功の秘けつは何なのか。

会員数1000超える
東京電力子会社ビルの2階に間借りしたオフィス町内会事務局。2人の女性がパソコンに向かって黙々と入力作業をしている。手にしているのは、古紙回収業者から送られてきた「リサイクルシステム・マニフェスト」という名の伝票。古紙の種類や重量、売却先などが書き込まれており、これらを入力すると会員企業への請求書が自動的に出来上がる。「運営コストを極力抑えるため、システム化している」。発足当時から事務局代表を務める半谷栄寿氏(東京電力・事業開発部部長代理)は自信たっぷりに話す。オフィス町内会は1991年に発足した。会員企業のオフィスに共同トラックを走らせ、古紙を回収している。単独ではコストに見合わない小規模オフィスを回収ルートに組み込むことで、古紙の回収量を大幅に増やすことができる。組織形態は任意団体で、東京都内を中心に活動している。95年から97年にかけて千代田区、中央区、港区が行政施設としてネットワークに参加。今年3月末時点の会員企業・事業所数は1064だ。町内会は「経済合理性に裏付けられた社会貢献活動」を目標に掲げる。オフィスから出る新聞紙、不要書類、コピー用紙をごみとして廃棄するのではなく、リサイクルできるように分別して回収業者に引き取ってもらう。こうした活動は、各企業が個々に取り組むより連携した方が規模のメリットを享受できるというのが、そもそもの町内会発足の背景だった。

収益は黒字続き
このため、活動の収益モデルはち密だ。会員企業のオフィスの間を共同トラックが走り古紙を回収、古紙問屋に売却する。実際の回収作業は、事務局が専門の回収業者に委託する。2002年度決算によると、年間古紙回収量は9185トンで、回集業者への支払いや事務局運営費などのコストは古紙1キログラム当たり19.9円だった。古紙の売却益は同1.4円だったので、差し引き分の同18・5円が会員が会費として支払う負担となる。ただ、企業が紙を捨てる場合、東京都では1キロ28・5円の廃棄物処理料を支払わなくてはならない。町内会を利用したほうが、ごみとして排出するよりもキロ10円も割安なのだ。古紙の市況が低迷したとしても、都の処理料の値下げは考えられないため、割安という状況は常に維持できる。「社会貢献とはいえ、何らかのインセンティブがないと企業は動きにくい」(豊田恵志・副代表)。経済原則を厳格に守った結果、町内会の収支は発足以来、赤字知らずだ。町内会は東電が社内で行っていた古紙の分別活動が母体。現在も事務局スペースを東電グループから無償で借りるなどの支援を受けている。が、半谷代表は「東電を含め、会員企業に甘えすぎないよう努力している」と話す。協賛金やボランティアなどへの依存度が高すぎるとそれが何らかの理由で得られなくなった場合、活動が立ち行かなくなってしまうためだ。町内会には1000強の企業が参加しているが、事務局のスタッフは半谷代表を除くとわずか5人。人件費の大半は、会員企業が支払う古紙回収費でまかなうようにしているという。

自治体も見習う
無理な要求を会員企業に求めないことも大切だ。町内会では以前、リサイクル推進の一環として、回収した古紙でトイレットぺ−パ−を作り、会員に購入してもらう活動に取り組んだことがあった。しかし、価格が市販品より高すぎて、浸透しなかった。「社会貢献活動は好意だけでは成り立たない」(半谷代表)。古紙回収だけではリサイクルは進まない。利用促進が必要なのでは──。こうした発想から、町内会が94年から取り組んでいるのが「白色度70運動」だ。白色度70のコピー用紙は、天然パルプのコピー用紙(白色度80前後)に比べ白さは多少落ちるが、古紙の有効活用につながり、環境負荷が小さい。輸入品より割高だが、国産品と比べれば価格競争力もある。町内会では、運営コストの合理化でねん出した費用を活用して、各地でシンポジウムを開催。会員企業を通じて、取引先企業や官公庁に70コピー用紙の採用を呼びかける運動を続けている。この結果、2000年には再生品の利用促進を目的としたグリーン購入法の指定品目に、70コピー用紙が盛り込まれるなど、一定の認知を受けるようになった。今後は日本青年会議所などと連携して、一段の普及活動に取り組む計画だ。札幌市、仙台市、宇都宮市、水戸市、千葉市など、約20の地方自治体が同様の仕組みを採用するなど、町内会方式による古紙回収活動の輪は広がっている。「目標があるからこそ停滞しない」と半谷代表。志を高く持つという社会貢献活動の原点が、成功と長寿につながっているようだ。
(石塚史人)

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